一部の旅行系掲示板やSNSでは「夜逃げ同然の倒産劇だったのではないか」といったセンセーショナルな言説が散見されます。しかし、帝国データバンクや東京商工リサーチなどの企業信用情報、ならびに関係筋の証言を精査すると、現実はより冷徹な経営判断による「事業停止と撤退」でした。
運営会社は幾度かの変遷をたどり、直近ではコスト削減と集客改善を図るオペレーターが運営を担っていました。しかし、莫大な固定資産税やインフラ維持費を賄いながら黒字化を達成する見込みが立たなくなり、債務整理や資産の処分を視野に入れた協議が進められました。法的な破産手続きを大々的に告知する形ではなく、事実上の営業休止からそのままフェードアウトする形で閉鎖に至ったため、一般ユーザーからは「突如消えた」ように映ったのが真相です。
不動産登記や競売情報においても、高台の広大な敷地と築古の巨大ホテルという組み合わせは、買い手にとって極めてリスクの高い物件とみなされます。伊豆エリアでは過去にも、バブル期に建設された大型ホテルが競売にかけられたものの入札者が現れず、幾度も基準価格が引き下げられるケースが相次ぎました。熱川ハイツもまた、担保権の処理や権利関係の複雑さ、後述する解体費用の問題が重なり、スムーズな再流通を阻む要因となっています。