ウェブ上の解説記事や動画を見ていると、一部に技術的な誤認や古い仕様に基づいた情報が散見されます。無用なトラブルを防ぐために、現場視点から3つの誤解を正しておきます。
第1の誤解は、「Split Viewに対応していないアプリは一切並べて使えない」という思い込みです。確かにInstagramなどの非対応アプリを画面の片側に固定することはできませんが、裏技的なアプローチが存在します。SafariなどのWebブラウザ上で該当サービスのWeb版を開き、そのブラウザ側をSplit Viewで分割表示させれば、実質的に作業を並行させることが可能です。アプリのネイティブ通知は得られませんが、資料参照やタイムラインの監視という目的であれば十分代替可能です。
第2の誤解は、「同じアプリを左右に2つ並べることはできない」という認識です。実は純正の「メモ」「Safari」「ファイル」「Pages」などのApple純正アプリや、Goodnotes等の対応サードパーティ製ノートアプリは、同一アプリの2画面起動(マルチウインドウ)を公式にサポートしています。Safariで2つのタブを左右に並べて価格比較を行う、あるいはメモアプリで過去の議事録を参照しながら新規ノートを書くといった運用は、別々のアプリを立ち上げるよりも遥かに思考の中断を減らしてくれます。
第3の誤解は、「画面分割を完全にオフにする設定が消えた」という嘆きです。古いiPadOSでは設定画面に「マルチタスクを許可」という単純なスイッチがありましたが、近年のOSではシステム統合が進んだため、Split Viewそのものを完全にシステムから抹消することはできません。ただし、「誤作動を防ぐためにステージマネージャをオフにする」「ドックの自動非表示を活用して意図しないドラッグを防ぐ」といった運用上のチューニングを施すことで、シングルタスクに極限まで近いクリーンな操作感を維持することは十分に可能です。