銀幕での激しい芝居と並び、今なお語り草となっているのが写真家・篠山紀信とのフォトセッションだ。篠山がファインダー越しに見つめた夏目雅子は、作り込まれた虚構のスターではなく、太陽の光を浴びて無邪気に笑う一人の生身の女性だった。
南国の海や自然の光の中で捉えられた彼女の姿には、作為的な扇情主義が一切存在しない。しなやかな肢体、風に揺れる髪、そしてカメラをまっすぐに見つめる澄んだ瞳。篠山紀信は彼女の健康的な色気とともに、どこか刹那的な透明感を永遠にフィルムへ封じ込めた。それは、日本のグラビア・ポートレート史における一つの到達点であり、今見返しても全く古びていない。