ネット上の画像検索において、ひときわ高い関心を集め続けているのが、ファンの間で通称「黒デク」と呼ばれるエピソード群のビジュアルです。全身を覆う漆黒のオーラ、ボロボロに裂けたコスチューム、そして怨嗟を帯びた怪獣のようにうごめく黒鞭の発動画像は、従来の王道ジャンプヒーロー像を根底から覆すものでした。
多くのファンがこの姿を「デクのかっこいい壁紙」やアイコンとして保存する一方で、その根底にある「デクの闇落ち理由」に深い悲痛を感じています。デクは悪に染まったのではなく、オール・フォー・ワン(AFO)の脅威から雄英高校の仲間を守るため、たった一人で全責任を背負い込み、食事も睡眠も削って戦い続けていました。かつてオールマイトを模した明るい緑のスーツは泥と返り血で黒ずみ、瞳から生気が失われていく過程は、自己犠牲が暴走した少年の痛々しい極限状態を視覚的に表現しています。
アニメ第6期で描かれたこの「黒デク編(全面戦争後〜雄英帰還)」が神回と称賛されるのは、荒廃した世界観とマッチした異様なかっこよさと、見る者の胸を締め付ける精神的危うさが同居しているためです。言葉を交わすことすら拒絶し、孤独の淵に沈むデクを1年A組のクラスメイトたちが総出で連れ戻そうとするドラマは、ヒロアカという作品が提示する「支え合うヒーロー像」の最高到達点となりました。