倒産劇において最も世間の耳目を集めたのが、全店閉店が報じられた直後の篠田麻里子本人のコメントでした。彼女は自身の公式Twitterで以下のように発信しました。
「ricoriが閉店することになり大変驚いています。私篠田麻里子も去年までアドバイザーとしてお手伝いしていただけに残念でなりません」
この「去年までアドバイザーとして携わっていた」という表現に対し、ネット上では「立ち上げ時は『私がプロデュースした』と前面に出ていたのに、倒産した途端に無関係を装っているのではないか」といった批判の声が上がりました。
しかし、商業登記や業界関係者への取材から判明した実態は、より複雑なビジネススキームでした。
運営会社である株式会社リゴレの資本金や経営権はアパレル関連の出資企業・経営陣が握っており、篠田麻里子自身は会社の代表権や役員ポストを持っていませんでした。彼女の契約形態は、あくまで商品企画やビジュアルイメージを監修・助言する「アドバイザー兼イメージキャラクター(プロデューサー)」としての業務委託契約でした。2013年7月にAKB48を卒業した後、契約内容の見直しや関与度の低下があり、2013年末の時点で実質的なアドバイザー契約が終了していたというのが真相です。
経営や財務の意思決定権を持たないタレントが、前面でブランドの「顔」としてプロモーションされ、経営破綻の際には全責任の矛先を向けられてしまう――ここには、当時の芸能プロデュースビジネスが孕んでいた重大なガバナンス上の課題が浮き彫りになっています。