ネット上の口コミやSNS、登山コミュニティに寄せられる実際の声を集約すると、ライブカメラを活用した人とそうでない人で、満足度に極めて残酷な格差が生まれている実態が浮かび上がる。
大手旅行コミュニティやSNSに投稿された「失敗談」の典型例が、次のような体験である。
「高山市街地が快晴だったため期待してロープウェイに乗ったが、標高2,000メートルを超えたあたりから深い霧に突入し、山頂展望台は強風と視界10メートルの真っ白な世界。往復運賃を払ったのに何も見えず寒さに耐えるだけで終わった」(30代観光客)
一方で、北アルプス ライブカメラ 新穂高の特性を理解して大成功を収めた旅行者の手記には、全く逆の感動が記されている。
「朝起きたら宿の周辺は小雨で諦めかけていたが、スマホで西穂高口のライブカメラを見たら、なんと雲を突き抜けて笠ヶ岳が黄金色に輝く雲海になっていた。急いで始発便に乗ったところ、人生で一度見られるかどうかの大雲海パノラマを独り占めできた。カメラを確認していなければ絶対に宿で二度寝していた」(40代登山愛好家)
現地スタッフへの取材でも、「山麓の天候だけで判断してキャンセルされるお客様が多いが、実は山頂だけが雲上に抜けて絶景が広がっている日も多い。逆に地上は穏やかでも上空の風速計が20m/sを指していて運休になることもある。出発前やチケット購入直前にカメラ映像と気象情報を見る癖をつけてほしい」との証言が得られている。現場の生の気象データこそが、旅の成否を分ける絶対的なファクトである。