PCやスマートフォンの画面をタップするだけで完璧に自動処理されるオンライン麻雀に慣れた世代が、リアルな雀荘や対面対局に足を踏み入れた際、最もトラブルを招きやすいのが物理的な所作です。全国の雀荘関係者への聞き取り調査や競技プロ団体の審理報告においても、発声と手牌開帳の手順を巡るトラブルは後を絶ちません。
絶対に遵守すべき基本原則が麻雀ロンの発声マナーとタイミングです。麻雀の所作において最も優先されるのは「明確な発声」であり、動作ではありません。相手が牌を切った瞬間、明確に卓内の全員へ聞こえる声量で「ロン」と発声しなければなりません。
発声が遅れ、次のツモ番のプレイヤーが牌山に手を伸ばして牌に触れてしまった(打牌動作に入った)場合、アガリの権利を失う「アガリ放棄」と判定されるケースが多いためです。ネット対局のように「考慮時間」が視覚化されないリアル対局では、0.5秒〜1秒以内の速やかで淀みのない発声が求められます。
さらに見落とされがちなのが麻雀ロン手牌の倒し方に関する作法です。発声を行った後、焦って両手でガチャガチャと牌を倒す行為(両手倒牌)は、競技マナー上好ましくないとされています。原則として、片手で理牌(整列)された手牌を静かに前へ倒し、アガリ牌を右端などに明確に離して置くのが洗練された美しい倒牌です。倒牌する前に河の牌を手元に引き寄せてしまう行為も「どの牌でアガったのか」を曖昧にし、不正を疑われる原因となるため厳禁です。