土佐料理の代名詞として知られる「土佐料理 司」の歩みは、大正6年(1917年)に始まります。公式の社史や創業記録によると、同店は「おいしい料理をお届けすること。それは人々の幸せを願い、健康を支えること」という信念を掲げ、土佐独自の宴会文化やおもてなしの心を全国へ発信してきました。「同志で集い、大志を語らう場」という理念は、坂本龍馬をはじめとする土佐の志士たちの熱気を今に伝える空間設計にも色濃く反映されています。
土佐料理 司の歴史と創業の歩みの中で最も特筆すべきは、素材調達における妥協なきサプライチェーンの構築です。かつおは鮮度の落ちが極めて早く、目利きの精度が味を決定づけます。司の料理人が語る証言によれば、歴代の板前たちが港の漁師と長年かけて培った絆は深く、「良い鰹が獲れると船の上から直接連絡が入る」ほどの強固な関係性を誇ります。市場に並ぶ前段階から一級品を押さえるこの仕入れ力こそが、百余年にわたりトップブランドを維持し続ける最大の源泉です。