警察庁生活安全局が公表している警察庁行方不明者統計のデータを検証すると、2026年最新統計データに至る近年の年間行方不明者推移は、年間およそ8万2,000件〜8万5,000件の範囲で高止まりを続けている。平成初期には年間10万人を超えていた時期もあったが、監視カメラ網の普及やスマートフォンの位置情報サービスの進化によって一時は減少傾向を見せた。しかし、後述する高齢化問題の深刻化に伴い、再び高水準へと押し戻されているのが実態だ。
行方不明者届提出数を性別・年代別に精査すると、明確な構造的特徴が浮かび上がる。行方不明者男女比内訳では、男性が約64%、女性が約36%と、圧倒的に男性の割合が高い。特に働き盛りである40代から50代にかけては男性の比率が7割近くに達し、職場のトラブルや経済的破綻、家庭内孤立に起因する失踪が色濃く反映されている。
一方で、年代別の構成比を見ると、最も届出数が多いのは「20代」であり、次いで「80歳以上」「10代」「70代」と続く。若年層と後期高齢者という、人生の両端に位置する世代で失踪が多発している事実は、日本の福祉・教育・就労環境が抱える深刻な課題を浮き彫りにしている。