ジャーナリストの鳥越俊太郎氏をはじめ、メディアの現場で言葉を紡いできた人々によるがんの公表は、日本の医療ジャーナリズムに決定的な変革をもたらした。自らの身体に起きた異変と治療の現実を客観的かつ情熱的にレポートするスタイルは、視聴者や読者に病への正しい知識を浸透させる強力な推進力となった。
かつてNHKオンデマンドで配信された過去の検証ドキュメンタリーや解説番組でも取り上げられたように、著名人が自らの罹患体験を語る意義はきわめて大きい。単なるゴシップ的な関心を越え、医療制度の課題や患者の権利、生活の質(QOL)の維持といった本質的な議論へと世論を導くきっかけを作っているのだ。