現在、近衛家の第32代当主を務めているのは近衛忠煇(ただてる)氏です。忠煇氏は長年にわたり日本赤十字社社長を務めたほか、アジア出身者として初となる国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)会長を歴任し、国際人道支援の最前線で極めて大きな功績を残してきました。
忠煇氏の妻は、昭和天皇の末弟である三笠宮崇仁親王の長女・甯子(やすこ)内親王です。1966年にご結婚されたことにより、近衛家は天皇家・宮家と極めて近い親族関係にあります。宮中行事や皇室の重要儀式においても、歴史的な名門としての格式と親族としての信頼を保ち続けています。
華族制度が消滅した戦後日本において、特権階級としての地位に安住するのではなく、国際社会への人道支援という実践的な公の責務を果たしてきた忠煇氏の歩みは、現代の「ノブレス・オブリージュ(高貴なる者に伴う義務)」の体現として国内外から極めて高く評価されています。