1980年のデビュー当時、若い女性たちの間では丸っこく角を丸めた「丸文字」が大流行していました。当時10代だった松田聖子さんも、ファンへのメッセージやサインにハートマークを添えた、愛嬌たっぷりの丸文字を多用していました。
この時代の直筆メッセージは、文字全体がやや右上がりに丸みを帯びており、親しみやすさと少女らしい無邪気さが前面に出ていました。当時の女子中高生がこぞって真似をしたことから、まさにカルチャーの象徴としての筆跡だったと言えます。
しかし30代、40代と年齢を重ねるにつれ、彼女の文字は劇的に変化します。無駄な装飾が削ぎ落とされ、線の伸びやかさと余白の美しさを意識した大人の文字へとシフト。2020年代の現在公開される手書きメッセージを見ても、凛とした芯の強さを感じさせる美しい文字が完成されています。