湯原昌幸といえば、グループサウンズ「スウィング・ウエスト」での活躍を経て、1971年にソロ歌手としてリリースした『雨のバラード』の爆発的ヒットが広く知られています。甘く伸びやかな美声で一躍トップスターとなった彼ですが、その後はタレントや司会者、俳優としても多方面でマルチな才能を発揮していきました。
転機となったのは2003年、歌手生活の節目において「大人がじっくりと噛み締められる本物の歌謡曲を届けたい」という情熱から始動した制作プロジェクトでした。ここで生まれたのが湯原昌幸の冬桜誕生秘話です。制作陣には、昭和・平成の歌謡界を牽引した作詞家のたかたかし氏、そして数々の哀愁歌謡を世に送り出してきた杉本眞人氏(作曲)を迎えました。
杉本氏が紡ぎ出したメロディは、従来の演歌の枠組みに収まらないフォークやポップスの叙情性を宿したマイナー調のバラード。若き日の瑞々しいハイトーンとは異なり、年齢を重ねて培われた湯原昌幸のハスキーで温かみのある中低音が見事に重なり合い、唯一無二の哀愁を醸し出す名曲が完成しました。