インターネット上の情報には「ノンクラスプデンチャーにすれば一生安心」「インプラントより手軽で完璧な代替手段」といった過度な宣伝も見受けられますが、構造的なデメリットを理解しておく必要があります。
最大の盲点は、残存歯への側方力(横揺れの力)の負担です。保険の金属バネは歯をがっちり把持して力を分散しますが、柔軟性のある樹脂アームは噛み合わせの圧力が歯茎や隣の歯にダイレクトに伝わりやすい傾向があります。そのため、欠損歯の本数が多い場合や重度の歯周病を抱えている場合、長期的には周囲の健康な歯を傷めるリスクを孕んでいます。
また、金属床義歯と保険適用の違いについても誤解されがちです。「金属=目立つ」と思われやすいですが、上あごの天井部分など外から見えない箇所を金属床で強固に補強し、歯の表面だけをピンク色の樹脂で覆う「コンビネーション設計」を採用すれば、強度・薄さ・審美性のすべてを高い次元で満たすことが可能です。