ネット上の一部コミュニティでは、「さんじゅうろうは観光客集めの演出として意図的に城に放たれたのではないか」という誤った憶測が散見されます。しかし、公的記録および当時の現地報道を精査すると、この見解が完全な誤謬であることが分かります。
事実は、豪雨災害の混乱の中で元飼い主の自宅から逃げ出し、約6キロメートル離れた山上の備中松山城へ自力で迷い込んだという偶然の産物です。脱走騒動の際も、観光協会や市民ボランティアが連日ビラ配りを行い、保護された場所も民家の縁の下でした。漫画版ではこうした経緯が包み隠さず描かれており、作られたプロモーションではなく、地域住民の純粋な善意と偶然が重なったドキュメントであることが証明されています。
また、「漫画版は過度な脚色が加えられているのではないか」という疑問に対しても、作中の主要な出来事は観光協会の公式活動記録と完全に合致しています。フィクション化されているのは猫たちのユーモラスなモノローグ程度であり、人間側の対応や時系列は極めて正確なノンフィクション仕立てとなっています。