ネット上のQ&AサイトやSNSでは、「庭の土をいじっていたら変な幼虫に噛まれた」「川遊び中に足をチクッとやられた」という投稿が散見されます。果たして、アブの幼虫に噛まれる危険性はどれほど深刻なのでしょうか。
昆虫生態学の現場観察データや害虫防除技術者の証言によると、「アブの幼虫が人間を能動的に襲って噛みつくことは基本的にない」というのが実情です。彼らはあくまで身を守るため、あるいは目の前に触れたものを反射的にエサと誤認して噛みつくに過ぎません。
しかし、無防備な素手で湿った土を掘り返したり、渓流で泥の中に足を突っ込んだりした際に、大型のアブ幼虫(体長3〜4cm級)を強く圧迫してしまうと、強靭な大顎で皮膚を挟まれる事故が発生します。実際に被害に遭ったアウトドア愛好家の証言では、「鋭利な安全ピンで突き刺されたような鋭い痛みが走り、小さな点状の出血が見られた」と生々しく語られています。
幸いなことに、アブの幼虫はハチのような毒針や、ムカデのような有毒成分を注入する毒腺を持ちません。噛まれた箇所の腫れは、幼虫の唾液に含まれる消化酵素に対するアレルギー反応や、傷口から侵入した雑菌による軽微な炎症であることが大半です。万が一咬まれた場合は、流水と石鹸で患部を徹底的に洗い流し、市販の抗ヒスタミン軟膏を塗布して様子を見るのが確実な対処法となります。