戸建ての設計時だけでなく、賃貸マンションや分譲マンションの入居者間でもトラブルの火種となりやすいのがバルコニーの管理と規約問題です。集合住宅における空間の法的権利について誤解している居住者は少なくありません。
賃貸物件バルコニー規約とネットの反応を調査すると、「バルコニーは専有部分ではなく、専用使用権が認められた共用部分である」という大原則の無理解がトラブルの根底にあります。マンションのバルコニーやベランダは、消防法において「火災時の避難通路」として位置づけられています。そのため、隣戸との境界にある隔て板(蹴破り戸)の周辺や避難ハッチの真上に、大型の物置やウッドタイル、プランターを設置することは管理規約および法令違反となります。
ネットの掲示板やSNSでは、「隣室の住民がバルコニーで喫煙し煙が部屋に入ってくる」「ベランダでホットプレート焼肉をして火災報知器騒ぎになった」といった近隣クレームが日常的に投稿されており、規約による全面禁止措置へと舵を切る管理組合が急増しています。
さらに深刻なのが、一戸建て購入から10年以上が経過した施主を直撃するバルコニー後悔ポイントと現在の実情です。その筆頭がバルコニー防水工事メンテナンス費用の重圧です。
外壁から露出したバルコニー床面は、紫外線と風雨に晒され続けるため、一般的に10〜12年周期で防水層のトップコート塗り替えや再施工(FRP防水やウレタン防水)が必須となります。一般的な広さ(約3〜4坪)であっても、足場仮設代を含めると1回あたり15万〜25万円前後の出費が確実に発生します。排水口(ドレン)の枯れ葉詰まりを放置した結果、防水層を越水して1階リビングの天井に雨漏りが発生し、数百万円の修繕費用に発展した実例も住宅補修の現場から多数報告されています。