邦画興行の雄である東宝が今回舵を切ったのは、従来の常識を覆すハイブリッドな公開戦略だった。全国の大規模シネコンでのロングランを維持しながら、世界各国の動画配信サービスとリアルタイムで連動させる試みは、保守的とされてきた国内配給ビジネスにおいて極めて前例のない挑戦である。
劇場体験としての音響や映像美を極限まで高めたスペシャルフォーマット上映を実施する一方で、リビングルームでの没入体験を担保する高解像度マスタリングを同時進行。映画館と配信プラットフォームを対立構造ではなく共存関係として捉え直すこの戦略は、興行収入の新記録を打ち立てる原動力となった。