作中で描かれる重要なマイルストーンのひとつが、若手ダンサーの登竜門として知られるローザンヌ国際バレエコンクールです。世界中から集まる選りすぐりの才能が、人生のすべてを賭けて挑む数分間のヴァリエーション。その極限の心理戦が圧倒的な緊迫感で描かれます。
さらに物語の視野は、名門として名高い英国ロイヤル・バレエ団をはじめとする欧州の一流バレエ団やアカデミーのリアルへと広がっていきます。スカラシップの獲得、カンパニーの階級制度、プロフェッショナルとして生き残るための残酷な選別。夢を追う美談だけで終わらせないプロフェッショナリズムの描写が、作品に重厚な説得力を与えています。