本作の最大の魅力は、誰かひとりの視点に偏ることなく、4人の主人公が互いに影響を与え合いながら精神的に成熟していく群像劇の構造にあります。物語の導入における関係性は以下の通りです。
夢見がちで恋愛に消極的な市原由奈は、偶然出会った現実主義の山本朱里と友人になります。由奈が憧れていた絵本の王子様そっくりの男子・山本理央は実は朱里の義理の弟であり、理央は親の再婚前から朱里に密かな想いを寄せていました。一方で、朱里の幼馴染である乾和臣は掴みどころのない性格ながら、朱里の本音に気づく唯一の存在です。
【初期の関係性と矢印】
・市原由奈 → 山本理央(一目惚れと憧れから始まる純粋な恋)
・山本理央 → 山本朱里(親の再婚によって封印された切ない想い)
・山本朱里 → 乾和臣(本音を隠しがちな朱里が自然体でいられる相手)
・乾和臣 → 山本朱里(惹かれつつも理央への遠慮や家庭環境から踏み出せない)