厨房で腕を振るう店主の動きには、一切の無駄がない。高火力のバーナーから上がる青い炎が、一瞬で周りの空気を熱気へと変える。中華鍋に投入された冷やご飯、炒卵、そして刻みチャーシュー。ジャッ、ジャッと刻み込まれる重厚な音が店内に響き渡る。注文から提供までの時間はわずか2分弱。目の前に運ばれてきたチャーハンは、米粒一つひとつが油の膜でコーティングされ、口の中でホロリとほどける絶妙なパラパラ感だ。
「火力とスピード、これにつきますね。家では絶対に作れない味を出すからこそ、お金を払って食べに来てもらえる」。店主は汗を拭いながら、短くそう語る。長年使い込まれた鉄鍋の底には、何千、何万回と振られてきた歴史が刻まれていた。