ソーシャルメディアの台頭は、ホラーイラストの流通構造を劇的に塗り替えた。X(旧Twitter)では、ハッシュタグや画像付きポストを通じて、毎日無数の「閲覧注意アート」が投稿され、瞬く間に万単位の拡散を記録する。ここで支持を集めるのは、一目見ただけで衝撃を与えるモンスター画像だけではない。一見すると日常の一コマを描いた爽やかなイラストの中に、よく見ると怪異が潜んでいるという「伏線系ホラー」だ。
部屋の鏡に映った影の形が違う、少女の背後に不自然な手首が見える、背景の文字を解読すると恐ろしいメッセージになる。鑑賞者が拡大表示して伏線を探し当てることで完成する体験型サイコホラーは、SNSのタイムライン特有の相互作用と相性抜群だ。コメント欄で考察が飛び交い、恐怖がさらに倍増していくという新しいコンテンツの楽しみ方が定着している。