日が落ちる18時半を過ぎると、九段下駅の一番出口は完全に麻痺する。参道へ一直線に向かう人の波に呑まれると、身動きが取れなくなるばかりか、本殿にたどり着くまでに小一時間を浪費することになりかねない。現場取材で導き出した最適解は、あえて「飯田橋駅」あるいは「市ヶ谷駅」からアプローチするルートだ。
市ヶ谷方面から靖国通りを上り、大妻通りや法政大学側の裏手から境内西側へ回り込むことで、参道正面の致命的なボトルネックを回避できる。また、参拝を17時台のまだ薄明るい時間帯に済ませ、19時前の点灯の瞬間を大鳥居付近の開放的なスペースで迎えるのが最も賢明な立ち回りだ。光の海に埋没するのではなく、光が街を侵食していくドラマを外側から観察する。これだけで祭りの体験価値は格段に跳ね上がる。