いま、釜山広域市の東部一帯には、かつてない熱量の旅人たちが押し寄せている。信仰の場としての重みはそのままに、近年の聖地巡礼・パワースポット旅行の潮流が若い世代の足取りを決定的に変えた。最寄りのリゾート地である海雲台から車でわずか20分余りという近さも手伝い、週末ともなれば多国籍な祈りの声が境内に交錯する。
「ここで真心を込めて願えば、誰もが必ず一つだけ願いを叶えられる」という言い伝えは、いまや海を越えて日本の渡航者にも定着した。とりわけ、海に面した龍門石橋から小さな石壺めがけてコインを投げ入れる参拝客の眼差しは真剣そのものだ。コインが岩に当たって乾いた音を立てるたび、どよめきと笑い声が潮風に溶けていく。