ローランドの生い立ちを語る上で欠かせないのが、音楽業界で確固たる地位を築く父親の存在である。実父はアニソン界の伝説的ユニット「JAM Project」のサポートや影山ヒロノブ氏のバックバンドなどで長年リードギターを務めるギタリスト・松尾洋一氏だ。
ネット上では一時、「実家が超大富豪の御曹司ではないか」という噂が飛び交った。実態を検証すると、石油王のような大富豪という類いではなく、一流の音楽家としてスタジオや機材が揃った文化的に極めて恵まれた家庭環境であったことがわかる。本人が手記やインタビューで明かした家族構成は、父、母、双子の妹、そして弟の5人家族だ。
特に双子の妹に対しては異常なほどの愛情を注いでいたことで知られる。かつて妹の交際相手に対して過干渉になり「俺よりいい男なら付き合ってもいい」と言い放った結果、妹から「お兄ちゃん、ウザいからもう連絡してこないで」と絶縁寸前の激怒を買ったエピソードは、ファンの間では有名な笑い話として語り継がれている。また、弟の松尾聖矢氏は兄の背中を追うように飲食業界に進み、自らBAR経営を手がけるなど、それぞれが独立した個性を発揮している。
だが、父・洋一氏との関係は決して平坦ではなかった。高校卒業後、安定したレールを外れてホストの道を選ぶと宣言した際、父親からは「勘当だ。二度と敷居を跨ぐな」と猛反対を受け、家を追い出された。親子の絆を修復したのは、歌舞伎町で頂点を極めたローランドが、父への感謝を込めて高級外車ポルシェをキャッシュでプレゼントした瞬間だったという。プロとして結果を出すことでしか認め合えない、男同士の厳格な血の通ったドラマが存在する。