セスジスズメの幼虫は成長段階によって劇的に姿を変えるため、適切な識別が求められます。孵化直後の若齢幼虫は淡い緑色をしていますが、脱皮を繰り返して終齢幼虫(5齢幼虫)になると体長約70mm〜85mm前後の巨大な黒褐色へと変化します。
最大の特徴は、体側に並ぶ黄色からオレンジ色、中心が白く縁取られた鮮烈な「眼状紋(目玉模様)」です。この眼状紋は天敵である鳥類に対し、ヘビなどのどう猛な生物に見せかける威嚇効果を持っています。
また、お尻付近にあるアンテナのような一本の角は「尾角(びかく)」と呼ばれます。幼虫が歩行する際や危険を感じた際にこの尾角を小刻みに前後に振るため、「刺すための毒針」と誤解されがちですが、角自体は柔らかく人を突き刺す強度は備わっていません。尾角の主な役割は、天敵に対して頭部とお尻を錯覚させて致命傷を避けるデコイ(囮)や、周囲の振動・気流を感知するセンサーと考えられています。