一般的なプロスポーツ興行では、最前列VIP席での飲食や大声での声援、スマートフォンでの動画撮影などが日常的な光景となっている。しかし、大相撲の溜席はまったく異質の空間だ。国技としての尊厳を保ち、力士が集中して取組に臨める環境を守ることが最優先される。
正座やあぐらで座布団に座り、静かに取組の推移を見守る姿勢が基本となる。土俵上の力士と目線がほぼ同じ高さになるため、観客の動揺や立ち上がり動作が力士の視界に入り、取組に支障をきたす恐れがあるからだ。6歳未満の乳幼児の着席が禁止されているのも、安全面および静寂を保つための配慮の一環である。