志望校選定において最も戒めるべきは、「勉強が嫌いだから、偏差値の低い工業高校で楽をしよう」という安易な動機です。これは工科高校に進学した生徒が最も陥りやすい落とし穴と言えます。
工科高校の授業は、座学の時間が普通科より少ない代わりに、実習・実験・製図が時間割の大きな割合を占めます。これらの授業では、安全上の手順を遵守する極度の集中力、正確な計算力、そして毎回の実習後に提出を求められる膨大なレポート作成が必須となります。締め切りを守れなかったり実習を軽視したりすると、単位修得が極めて困難になる構造です。
ネット上の言説では「工業高校はヤンキーばかりで荒れている」というステレオタイプな偏見が語られることがありますが、実態は大きく異なります。現代の工科高校は、機械のハイテク化に伴い緻密なデータ処理が求められるため、真面目に手を動かせる職人気質の生徒がマジョリティを占めています。むしろ「無断欠席をしない」「挨拶ができる」といった基礎的な生活習慣が身についていない生徒ほど、指導についていけず早期中退に至るリスクが高まるのが現実です。