ネット上の質問コミュニティやSNSで定期的にトレンド入りするのが、「パッションティーという名前なのに、パッションフルーツが入っていない」という驚きの声です。スターバックス公式の原材料表示や資材データを検証しても、果実としてのパッションフルーツ(トケイソウ科)は含まれていません。
では、なぜこの名称が付けられたのでしょうか。その背景には、スターバックスがかつて傘下に収めていた米国の高級ハーブティーブランド「TAZO(タゾ)」時代のネーミング設計と、英語圏における表現文化があります。ここでの「パッション」は果物の名称ではなく、情熱(Passion)そのものを意味しています。燃え立つような鮮烈な赤色と、五感を刺激するエネルギッシュな酸味のプロファイルから「情熱を呼び起こすブレンド」として名付けられた経緯があります。
実際のパッションティーの原材料は、以下の天然植物素材が精緻にブレンドされています。
- ハイビスカス(ローゼル):鮮やかな赤色と爽快な酸味の主役。クエン酸を豊富に含む。
- ローズヒップ:「ビタミンCの爆弾」とも呼ばれ、フルーティーな酸味とほのかな甘い余韻を与える。
- シナモン:全体を引き締める奥深いスパイスの香り。
- ドライアップル&リコリス(甘草):鋭い酸味の角を丸め、後味にわずかな自然のまろやかさを付与。
- レモングラス:柑橘を思わせる清涼感あるアロマで後味をすっきりさせる。
このように、複雑に計算されたハイビスカスブレンドによって、果実そのものを使わずともトロピカルで奥行きのあるフレーバーが構築されているのです。