日々の飲み物選びで失敗しないために、代表的な飲料のカフェイン量と公的な摂取基準を整理しました。抽出方法による違いや、他の茶類との関係を数値で確認していきましょう。
比較表から見えてくるのは、エスプレッソとドリップコーヒーの違いに関する誤認です。「エスプレッソは濃厚だからカフェインが猛烈に入っている」と思われがちですが、100mlあたりの濃度は高いものの、抽出時間が短く提供量も1ショット30ml程度と限られるため、1杯で摂取するカフェイン量は通常のドリップコーヒー1杯分と同等か、やや少ない程度に収まります。
また、緑茶と紅茶のカフェイン量比較を見ると、どちらも同じ「チャノキ」を原材料としていますが、一般的な煎茶(約20mg/100ml)に対して紅茶(約30mg/100ml)のほうがやや高い数値を示します。これは発酵プロセスの違いというよりも、茶葉の品種(カメリア・シネンシスのアッサム種と中国種)の違いや、熱湯でしっかり蒸らす紅茶の抽出温度の高さが要因です。なお、新芽のみを贅沢に使う玉露に関しては100ml中160mgと、コーヒーを遥かに凌駕するレベルですので注意が必要です。
健康を守るための公的指標として、厚生労働省や農林水産省、さらに欧州食品安全機関(EFSA)などの機関は、健康な成人における1日のカフェイン摂取許容量を最大400mgまで(マグカップのコーヒーで約3杯〜4杯、紅茶で約8杯分に相当)と定めています。一度に摂取する量としては200mg(体重1kgあたり約3mg)を超えないことが推奨されています。
特に配慮が必要なのが、胎児への影響が懸念される妊娠中のカフェイン摂取目安です。世界保健機関(WHO)や英国食品基準庁(FSA)などの国際基準では、1日あたり200mg〜300mg未満(コーヒーなら1日1〜2杯、紅茶なら2〜3杯程度)に抑えることが強く指導されています。カフェインは胎盤を容易に通過しますが、胎児はカフェインを代謝する肝臓機能が未発達であるため、過剰な摂取は低体重出産などのリスクを高めるとされています。