検索窓に物件名を入れた際、「事故物件」や「大島てる」といった単語が並ぶ現象は、スカイシャトレ空港南に限らず、全国の割安な大規模賃貸物件で頻繁に発生しています。この現象の根底には、ネット特有の心理的メカニズムである「不安の増幅と検索のループ」が存在します。
まず、事故物件公示サイト「大島てる」や不動産データベースの公開情報を精査すると、同物件において社会的な耳目を集める重大な凶悪事件や不可解な事故の報道記録は確認されていません。それにもかかわらず噂が一人歩きした背景には、近隣エリアの別物件における過去の事案との混同や、「なぜこの広さでこの家賃なのか?」「何か理由があるはずだ」というユーザーの詮索が、検索クエリとして蓄積された結果が挙げられます。
不動産取引においては、2021年10月に国土交通省が策定した「人の死の告知に関するガイドライン」によって、過去に室内で自然死以外の事由(自殺・他殺・火災による死亡など)があった場合、原則として3年間の告知義務が宅地建物取引業者に課されています。さらに賃貸借契約を結ぶ直前には、宅地建物取引士から交付される「重要事項説明書」の備考欄に、心理的瑕疵(かし)の有無が法的に記載されます。仮に過去に何らかの事案が存在していれば、不動産仲介会社は隠蔽して契約させることができず、発覚すれば業務停止を含む重い行政処分を受けるため、過度なネットの憶測に惑わされる必要はありません。