結論から言えば、現代医学においてクローン病が「完全に体から消え去り、将来にわたって二度と発症しない状態(完治)」になったと認定された症例はありません。ネット上で見られる「クローン病完治の奇跡」といった体験談の多くは、自覚症状が完全に消失した「臨床的寛解」や、内視鏡検査で潰瘍が見えなくなった「粘膜治癒」を指しているケースがほとんどです。
消化管の免疫異常が関与しているため、民間療法や特別な食事だけでクローン病の自然治癒の可能性を期待するのは医学的に極めて危険とされています。しかし、「自覚症状がなく、食事や仕事も制限なくこなせている状態」を当事者が実感として「治った」と表現するケースは多く、これが「完治した人がいる」という噂の正体です。