インターネット上のQ&Aサイトや初心者向け掲示板では、「休符は音を出さなければ適当でいい」「音が鳴っていない場所のミスは目立たない」といった誤った言説が散見されます。しかし、第一線で活躍するスタジオミュージシャンやクラシックの指揮者が口を揃えるのは、「音楽のグルーヴや品格は、音そのものよりも休符の処理で決まる」という冷徹な事実です。
最も危険な盲点は、音符を弾いた後の「音の切り際(リリース)」を意識しないことです。例えば「四分音符+八分休符」の並びがある場合、四分音符の音を漫然と伸ばしすぎてしまうと、後ろにある八分休符が物理的に押し潰され、実質的に消滅してしまいます。休符を正確に演奏するためには、「前の音をいつ正確に止めるか」という消音のタイミングが不可欠です。ピアノであれば鍵盤から指を離す瞬間、管楽器であれば息を止める瞬間こそが、八分休符の真の始まりなのです。