受傷直後の急性期を乗り越えたら、計画的なリハビリテーションと社会復帰への移行が重要になります。回復過程は大きく3つのフェーズに分かれ、それぞれの段階に適した負荷管理が求められます。
第1フェーズ:受傷〜2週間(急性保護期)
この期間の最優先事項は、患部の安静と疼痛緩和です。採寸して作製した硬性コルセット、または支柱入りの幅広軟性コルセットを起床時から就寝直前まで確実に装着します。起き上がる際は、仰向けから直接上体を起こすのではなく、まず横向きになり、手でベッドを押しながらゆっくりと上半身を起こす「丸太転がし法(ログロールテクニック)」を徹底してください。痛みが強烈な時期ですが、足首の曲げ伸ばしや深呼吸を行い、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)を予防します。
第2フェーズ:3週間〜6週間(機能回復・軽負荷復帰期)
痛みが日常生活の動作で自制できるレベルに落ち着いてきたら、徐々に活動量を増やします。デスクワーク職であれば、短時間の通勤から仕事復帰を検討できる時期です。長時間の同一座位姿勢は大腰筋を硬直させるため、30〜40分に一度は立ち上がって軽く腰を伸ばす工夫を取り入れます。リハビリでは、骨盤の傾斜運動や股関節周囲のストレッチを開始し、腰椎に過度な負担をかけない身体の使い方を再学習していきます。
第3フェーズ:7週間〜12週間(社会生活・スポーツ完全復帰期)
日常生活での痛みがほぼ消失し、画像検査で患部の安定が確認された段階で、重労働やスポーツへの復帰を目指します。体幹深層筋(腹横筋や多裂筋)を鍛えるプランクやドローインを取り入れ、体幹の安定性を再構築します。ランニングから開始し、ダッシュ、ジャンプ、急激な体幹の切り返し動作へと段階的に負荷を上げ、痛みの再発がないか確認しながら完全復帰を果たします。