世界最強の選手層を誇るスノボハーフパイプ男子選手の陣容は、平野歩夢ひとりの独壇場ではありません。その筆頭格が、2021年世界選手権王者であり、X Gamesでも頂点を極めた戸塚優斗です。大舞台での落車や大怪我を乗り越えてきた戸塚の戦績は、近年のFISワールドカップ(W杯)やプロツアーでも極めて高い勝率を記録しています。フロントサイド・ダブルコーク1440からキャブ・ダブルコーク1260への流れるようなルーティンは、ジャッジから屈指の完成度と評価されており、安定感という指標では世界トップクラスに位置します。
さらに異次元の存在感を放つのが、兄・歩夢の背中を追ってきた平野海祝の経歴と現在の躍進です。北京五輪において、パイプの高さ世界記録(地上約7.4メートル)を樹立した強烈なグラブトリックは世界中に衝撃を与えました。単なる高難度スピンの追従ではなく、「誰よりも高く飛び、スタイルを魅せる」という明確な哲学を持つ海祝は、国際招待大会でも常に観客を最も沸かせるライダーへと成長を遂げています。
これらトップ3を猛追するのが、若手有望株の面々です。重野秀一郎や山田琉聖といったスノボハーフパイプ若手注目選手たちが次々とW杯の決勝に進出。10代後半から20代前半の若手が繰り出すスイッチスタンスからの高回転トリックは、ベテラン勢を脅かす破壊力を秘めており、国内の表彰台争いそのものが世界選手権の決勝と同等レベルに達しています。