教室という閉ざされた階層社会において、圧倒的な権力を握るスクールカースト「一軍」。新川優愛が演じた工藤美月は、華やかな容姿の裏に容赦のない冷酷さと、どこか崩れやすい脆さを抱えた極めて複雑なキャラクターだった。当時、弱冠19歳だった彼女が見せた冷徹な目線や、他者を排斥する際の巧みな微表情のコントロールは、画面越しに異様な圧迫感を漂わせていた。
単なる「悪役の生徒」で終わらせず、歪んだ承認欲求や家庭環境への不安に苛まれる等身大の恐怖心を巧みに見え隠れさせた点が、視聴者の記憶に刻まれた理由だ。美しいビジュアルと背中合わせの泥臭い感情の吐露。この絶妙なコントラストこそ、彼女が本作で証明した真の演技力と言えるだろう。