第四次忍界大戦において、薬師カブトは過去の英雄や暁の物故者(長門、イタチ、サソリ、デイダラ、角都ら)をほぼ全員「穢土転生」で蘇らせ、忍連合軍を窮地に追い込みました。しかし、そこに飛段の姿はありませんでした。読者の間で大きな議論を呼んだ飛段が穢土転生されない理由には、論理的な3つの裏付けが存在します。
第1の理由は、「遺伝情報(肉体細胞)の採取が物理的に不可能だったこと」です。穢土転生の発動には対象者の一定量の個人情報(DNAを含む肉体組織)が必要不可欠です。飛段が埋められた場所は、木ノ葉隠れの里の中でも厳重に管理された奈良一族の私有林「鹿の森」であり、外敵の侵入を一切拒む結界のような役割を果たしていました。スパイ能力に長けたカブトやゼツであっても、奈良一族の監視を潜り抜けて地中深くに埋まった残骸を回収することは極めて困難でした。
第2の理由は、「開戦時点での生存判定の曖昧さ」です。カブト自身が作中で「飛段は死んだかどうかの確認が取れていない」といった主旨の発言を漏らしている通り、穢土転生は「死者の魂を呼び戻す術」であるため、もし地中で微かに細胞が生きて代謝を続けていた場合、術の対象外となってしまいます。
なお、アニメオリジナル展開である「力-Chikara-」編では、カブトが遺留物から採取した遺伝子と大蛇丸のヘビの細胞を掛け合わせた「疑似飛段のクローン」を一時的に生み出す描写がありますが、これは魂を口寄せした本物の穢土転生ではなく、原作の正史設定とは明確に区別されています。