挫折しないための絶対条件は「土台ゴムの固定法」にある。初心者が最も直面しやすいトラブルは、使っているうちに編み地がゴムから滑り落ちたり、ゴムの伸縮に編み目が追従できず糸が千切れたりする現象だ。この問題を解決する独自のノウハウこそが、ゴム本体に細編みで直接編みくるんでいく「アンカー・ロッキング法」である。
市販のリングゴムに直接かぎ針を通し、糸を引き出して土台を作る。このとき、ゴムを軽く引き伸ばしながら均等なテンションで目を揃えるのがコツだ。土台さえ安定すれば、あとは立ち上がり目を作ってフリルや花弁を展開していくだけで、ほどける心配のない堅牢な構造が完成する。
現在トレンドの頂点にあるのは、フランスのヴィンテージシフォンのような陰影を放つラッフル構造のシュシュスタイルと、立体的な花びらを幾重にも重ねたボタニカルモチーフだ。前者は長編みとくさり編みを交互に増やし目しながら編み進めることで、空気を孕んだようなドラマチックなボリュームを生む。後者は中心から外側へ向けて編み目の高さを変えるグラデーション技法を駆使することで、平坦になりがちな編み地に生花のような奥行きをもたらす。