ネット上の掲示板やSNSでは「ディストーションを限界まで上げればピッキングハーモニクスは勝手に鳴る」という俗説が長年語り継がれています。しかし、大手ギターアンプメーカーの音響エンジニアや熟練リペアマンの検証データによれば、この認識は典型的な落とし穴であることが証明されています。
過剰な歪みは音をコンプレッション(圧縮)してサステインを稼ぐ反面、アタック時のダイナミクスを潰し、倍音成分をノイズフロアに埋もれさせてしまいます。適切なピッキングハーモニクス 歪みアンプ設定において最重要となるのは、ゲインの量ではなく「中音域(Mid)」の押し出しです。
ドンシャリと呼ばれる中音域を削ったセッティング(Bass: 8, Mid: 2, Treble: 9のような極端なEQ)では、ピッキングハーモニクスの主成分である1.5kHz〜3kHz付近の周波数がごっそり欠落し、どれだけ強くピッキングしても耳に届く快音にはなりません。イコライザーはMiddleを6〜7程度まで太く残し、TrebleとPresenceを適度にブーストするセッティングが、抜ける倍音を作る黄金律です。
また、ピッキングハーモニクス 失敗する原因と対策として見落とされがちなのがピックアップの選定です。フロントピックアップ(ネック側)は低域が豊かで甘いトーンを持つ一方、高次倍音を拾う能力はリアピックアップ(ブリッジ側)に遠く及びません。ピッキングハーモニクスを練習する際は、セレクターを必ず「リア」に倒し、ブリッジ寄りのタイトな倍音を拾わせることが鉄則です。