ロシア語の学習を始めた多くの日本人が、現地やオンラインレッスンで「カタカナ通りに読んだのに全く通じなかった」という壁に衝突します。SNSや知恵袋の体験談でも、「Здравствуйтеを発音しようとすると舌がもつれる」「早口言葉のようで覚えられない」といった悲鳴が絶えません。
取材に応じたロシア語音声学の専門講師は、この現象について次のように語っています。
「カタカナで『ズドラーストヴュイチェ』と書いてあるテキストが多いため、日本人は律儀にすべての音を発音しようとします。しかし、ネイティブの耳にはそれがかえって不自然に響くのです。実は、キリル文字の綴りにある最初の『в(v)』は、音声学的に無音化(脱落)します。つまり、頭の『ズドラヴ...』ではなく、実質的に『ズドラースト・ヴィチェ』と発音するのが自然なロシア語なのです。」
さらに重要なのが、アクセント(強勢)の位置です。ロシア語ではアクセントのない母音は曖昧に短く発音される「母音の弱化」という現象が起きます。Здравствуйтеの場合、強勢は第1音節の「ра(ラー)」にあります。ここを強めに、長めに引き伸ばし、後半の「stvoutye」部分は軽く添えるように抜くことで、驚くほど滑らかなネイティブ発音へと変化します。ロシア語 発音 音声を聞き込む際も、文字の羅列を追うのではなく、全体の抑揚リズムを掴むことが決定打となります。