京都を訪れる旅行者の多くが気にかけるのが、「上賀茂神社」と「下鴨神社」の具体的な違いです。両社は鴨川の流れに沿って南北に位置しており、古くから二社を一括して「賀茂社(賀茂神社)」と総称してきました。
地理的には、鴨川の上流(北側)に位置するのが「上賀茂神社(正式名称:賀茂別雷神社 / かもわけいかづちじんじゃ)」であり、高野川と合流する下流(南側)に位置するのが「下鴨神社(賀茂御祖神社)」です。
両社の最大の違いは、祀られている御祭神の血縁関係にあります。
- 上賀茂神社(賀茂別雷神社):雷を分けるほどの強大な神力を持ち、厄除け・必勝の神とされる賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)を主祭神としています。
- 下鴨神社(賀茂御祖神社):賀茂別雷大神の母である玉依媛命(たまよりひめのみこと)と、その父(祖父にあたる)賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)の二柱を祀っています。
つまり、上賀茂神社の神様から見て「母」と「祖父」という親族神をお祀りしている社であるため、下鴨神社は「御祖(みおや)」の社名で呼ばれています。上賀茂神社が雷神としての鋭い厄除けの力を持つのに対し、下鴨神社は母性や命を育む力、縁結びや安産、導きの神徳を強く帯びている点が際立った特徴です。