りょうの表現力の原点は、どこにあるのでしょうか。その歩みを振り返ると、偶然の出会いから自らの居場所を切り拓いてきたストイックな足跡が見えてきます。
埼玉県出身の彼女は、10代半ばの学生時代に原宿でスカウトされたことをきっかけに芸能界の門を叩きました。本名(宮森千夏)ではなく「りょう」という中性的な芸名を選んだことからも、既存の女性像にとらわれない独自のスタンスがすでに確立されていたことが分かります。
りょうのモデル時代の勢いは圧倒的でした。資生堂「レシェンテ」(1994年)のCMや、キリンビール、明治乳業「ブルガリアヨーグルト」、日本IBM「ThinkPad」といった大企業の広告に次々と起用され、モードと大衆カルチャーの架け橋となったのです。そして1996年、社会現象となったドラマ『ロングバケーション』で、主人公の元後輩でありピアニストの恋人・佐藤氷見子役として女優デビューを果たします。台詞の抑揚や視線の動かし方に漂う洗練された空気感は、「モデル出身の枠を超えた逸材」として業界内に大きな衝撃を与えました。
その後も『救命病棟24時』シリーズでの冷静沈着な救命医役や、『流星の絆』、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』など、数々のドラマ代表作で強い印象を残し、クールビューティーの代名詞としてのポジションを不動のものにしました。