栃木県といえば、全国シェアトップを誇る「イチゴ王国」だ。しかし、この農業ビジネスの屋台骨もまた、変わりゆく天候の波に晒されている。「とちおとめ」や主力品種「とちあいか」を栽培するビニールハウスの現場では、近年の秋口の残暑と冬の突然の寒波という「二極化する気候」への対応に追われている。
ハウス内の温度が想定を超えて上昇すると、花芽の形成が遅れたり、果実が成熟しすぎる障害が発生する。農家側は遮光ネットの二重化や自動換気システムの導入、さらにはヒートポンプを活用した精密な温度制御で対抗しているが、資材高騰と相まって生産コストへの圧迫は避けられない。気候への適応能力が、そのまま農家の死活問題へと直結しているのだ。