酒場でありながら、アルコールを飲まない客がテーブルの半分を占める——そんな光景も、2026年の日常となった。あえてお酒を飲まない「ソバーキュリアス」カルチャーの定着に伴い、ドリンクメニューの主役に躍り出たのが自家製発酵ドリンクやボタニカル抽出液を用いた本格的なノンアルコール・ペアリングだ。
単なるソフトドリンクではない。煎茶をベースに山椒と自家製柚子シロップを組み合わせた一杯は、香ばしい炙りしめ鯖の脂をすっきりと切る。発酵トマトウォーターに出汁を加えたカクテルは、出汁巻き玉子の上品な甘みを引き立てる。お酒を飲む人も飲まない人も同じテーブルで一皿ごとのペアリング体験に歓声をあげる。アルコールの有無という垣根を取り払った接客スタイルが、居酒屋の新たな包摂性を生み出している。