当取材班は、大手金融機関および事業会社で働く現役社員、さらに受験を断念した経験者へインタビューを実施しました。生々しい証言から、資格の光と影が浮き彫りになります。
大手信託銀行 運用部門(32歳・男性)の証言:
「新卒で支店の融資担当になり、3年目でCMAの2次まで合格しました。社内の公募制度を使って運用部に手を挙げた際、面接で『若手でCMAを揃えているなら基礎理論のレクチャーは不要だな』と評価され、異動を勝ち取れました。資格単体で稼げるわけではありませんが、自分の行きたい部署へ人生の進路を変更するレバーとしては、これ以上ない強力な武器でした」
地方銀行 営業推進部(38歳・男性)の証言:
「2次試験に3回連続で落ち、仕事との両立に限界を感じて諦めました。平日は2時間、休日は8時間勉強机に向かい、家族サービスを犠牲にしたのに手元には何一つ残りませんでした。試験勉強で得た財務諸表の読解力は法人営業で役立っていますが、合格証書という形にならない限り、社内の人事評価には1点も反映されない冷酷な世界です」
上場IT企業 IR室マネージャー(35歳・女性)の証言:
「事業会社のIR部門へ転職する際、CMA資格は強烈に効きました。機関投資家やセルサイドのアナリストと対等にディスカッションする上で、彼らが学んできた共通言語(DCF法やCAPMなど)を理解している証明になるからです。『無駄』と叩いている人は、営業でしか使わない環境にいるか、実務との結びつけ方を間違えているだけではないでしょうか」
これらの声が示す通り、評価が真っ二つに分かれる本質は「資格のスペック」ではなく、「自らの配属・職種と資格の親和性」にあることが分かります。