「昔のパソコンでは『辻』の点が1つだったのに、ある時期から点2つで表示されるようになった」と記憶している方も多いはずです。この現象を引き起こしたのが、2004年に経済産業省主導で行われたJIS2004改定(JIS X 0213:2004)でした。
Windows 95やXP初期の時代、JIS規格(JIS90)は表外漢字であっても常用漢字に引きずられて「一点しんにょう」でフォントをデザインしていました。しかし、国語審議会の答申に合わせて「本来の伝統的な印刷標準字体に戻すべき」との判断が下され、JIS2004規格によって168文字の例示字形が変更されたのです。
この改変により、Windows Vista以降(現在のWindows 11環境含む)やmacOS、iOS、Androidなどの標準フォント(メイリオ、游ゴシック、ヒラギノなど)で、「辻」や「逢」が自動的に二点しんにょうとして画面表示されるようになりました。結果として、同じ文字コードであってもOSのバージョンやフォント設定によって字形が異なって見えるというデジタル上のギャップが定着したのです。