法的な枠組みにおいて、労働契約終了の形は大きく4つに大別されます。労働者側から一方的に契約を解約する「辞職(自己都合退職)」、労使双方が話し合って合意の上で終了させる「合意退職」、会社側から一方的に契約を解除する「解雇」、そして当事者の意思表示を挟まずに契約関係が消滅する「自然退職」です。
自然退職と解雇の決定的な違いは、解雇予告手続き(30日前の予告または予告手当の支払い)が法的に義務付けられているか否かという点にあります。解雇は労働基準法第20条の厳しい制約を受け、解雇権濫用法理によって正当な理由が厳密に問われます。対して自然退職は、あらかじめ就業規則に「このような事由が生じた場合は退職とする」と定めておき、その条件に該当した事実をもって労働契約が終了したとみなす制度です。
ただし、会社側が「解雇の手続きを回避するための隠れ蓑」として自然退職を悪用することは労働法上許されていません。就業規則に「当然退職規定」が適法に整備されており、かつその適用が客観的に妥当であると認められない限り、法的には解雇権の濫用とみなされる高いリスクをはらんでいます。