現在でこそ圧倒的な安定感を誇る鍵山ですが、そのキャリアは決して平坦ではありませんでした。2026年北京五輪で銀メダルを獲得した直後、2026-2026シーズン開幕前に左足の距骨・腓骨に骨挫傷および疲労骨折が判明。グランプリシリーズを含む主要大会の欠場を余儀なくされ、長期の氷上離脱というアスリートにとって最大の危機に直面しました。
当時の特番インタビューや囲み取材で、本人は「スケート靴を履くことすらできない日々が続き、氷に乗れない焦りと恐怖で押しつぶされそうだった」と率直な胸中を明かしています。しかし、このリハビリ期間が結果として彼の選手生命を大きく飛躍させる転機となりました。
氷に乗れない数カ月間、鍵山は徹底した体幹トレーニングと柔軟性の強化に着手。ジャンプの衝撃を逃がす膝と足首の連動を一から見直しました。復帰後のスケーティングは、負傷前よりもエッジワークが深くなり、滑らかな一蹴りでリンク全体を疾走する伸びやかさを獲得。怪我を機に「力任せのジャンプ」から「全身の連動によるジャンプ」へと昇華させたことが、完全復活劇の最大の要因です。