山梨県南部町に位置する「道の駅なんぶ」は、平成29年(2017年)11月17日に国土交通省道路局から正式登録を受け、中部横断自動車道の南部IC開通(平成31年3月)と連動する形で誕生した比較的新しい複合交流拠点です。山林に囲まれた小さな集落にありながら、なぜこれほどまでに人を引き寄せるのか。その答えは、徹底した「食のテーマパーク化」と「特産・南部茶のエンタメ体験」にあります。
従来の道の駅は「トイレ休憩と農産物直売」が主たる役割でしたが、道の駅なんぶは訪れた瞬間に漂うお茶の香りと、購買意欲をかき立てる売り場演出が際立ちます。南部町は古くから良質なお茶の産地として知られていますが、単にお茶の葉を売るのではなく、スイーツ、ジェラート、パフェ、そして食事処の出汁やお茶漬けに至るまで、南部茶のポテンシャルを極限まで引き出したオリジナル商品群を展開しています。
さらに見逃せないのが、施設内に併設された「南部氏展示室」の存在です。歴史ファンには奥州南部氏(盛岡藩主など)の名が知られていますが、その起源はまさにこの甲斐国南部町にありました。武家のルーツに触れられる歴史コンテンツを無料で開放し、歴史文化の学習とご当地グルメの探訪をシームレスに結びつけた導線設計が、ファミリー層からシニア層まで幅広い客層を惹きつける確固たる土台となっています。