かつてのアレルギー薬は「効く薬ほど強烈に眠くなる」が常識でした。なぜ最新世代の薬は眠くならずに強い効果を発揮できるのか。その理由は「脳内ヒスタミンH1受容体占拠率」にあります。
脳内のヒスタミンは覚醒物質として働き、集中力や判断力を維持しています。第1世代抗ヒスタミン薬は血液脳関門を容易に通過して脳内の受容体をブロックしてしまったため、激しい眠気や、自分では気づかないうちに集中力が低下する「インペアード・パフォーマンス(気付きにくい能力低下)」を引き起こしていました。
アレグラやビラノア、デザレックスといった現代の薬剤は、脳内にほとんど移行しない分子構造を持っています。脳内受容体占拠率は0〜10%未満に抑えられており、中枢神経系を麻痺させることなく、鼻や目の局所にある受容体だけを狙い撃ちします。これにより、「高いアレルギー遮断効果」と「クリアな覚醒状態」の両立が実現しました。
頑固な鼻づまりに対して絶大な評判を集めるディレグラ配合錠は、アレグラの成分(フェキソフェナジン)に血管収縮薬である塩酸プソイドエフェドリンを合剤化したものです。鼻粘膜の血管を直接収縮させて空気の通り道をこじ開けるため、鼻閉塞への効果は絶大です。しかし、交感神経を刺激するため血圧上昇や不眠、口渇といった副作用が出現しやすく、通常は2週間程度の短期集中使用が推奨されます。